今日はある中学校の社会科の授業に参加しました。私の甥っ子がこの中学校で社会科の教師として勤めており、「現代の民主政治」という授業をするので、子どもたちの授業を見てほしい、そして民主主義について話してほしいとの依頼を受けたからです。私は常日頃思っていたことがあります。それは、どうして中学や高校で現代の政治について教えないのだろうと疑問に思っていたのです。
海外の高校生は学生の頃から、大統領選挙や政党の活動に参加して、政治への関心を高めていくのに、日本では学生が政治に関わることはタブーとされる一方で、18歳になったら選挙権が与えられ、いきなり投票に行けと言われます。18歳まで政治活動を禁止して、それまで何も教えないまま、いきなり選挙と言われて、各政党の政策や候補者の考えが理解できるでしょうか。
今回の社会科の授業のテーマは「Go to トラベルキャンペーン」についてで、各政党の政策や日本の選挙制度等の勉強を重ね、最終でGotoトラベルキャンペーンに賛成か反対か、そして自分たちにできることは何かを生徒が導き出していく、という今日がまとめの授業です。まず、ボードに賛成か反対か自分の名前を貼ります。そして、その理由を発表するという形で進められました。
賛成意見は次のようなものです。「感染者数が少なくなってきた。観光業の人たちを助けることが出来る。経済が停滞すると日本が潰れてしまう。コロナの収束を待っていると遅くなる。感染予防は医学的にしっかり行われている。」でした。反対意見は「コロナの感染拡大につながる。勝手に政府が進めた。その予算をもっと他に使ったほうが良い。身近な人にうつす心配がある。」でした。
どの生徒さんも自分の意見を堂々と発表しており、その姿に感動しました。そして次のように話しました。「今、皆さんが行っていたことが国会や県会という議会で行われているのです。賛成・反対の様々な意見を集約し、皆さんが納得した上で政策を決定する。これが民主主義です。生活は政治とつながっています。ぜひ、皆さんも政治に関心を持って、自分で判断する力を身につけてください。」
最後に「自分たちにできることは何だろう。」と答えを導き出します。皆さんの答えは、「修学旅行に行くときに感染予防対策をしっかりする。」「旅行費用は親が出してくれるので親に感謝する。」等でした。また政治的には「政策をしっかり勉強することが大切だと思った。」「今のうちに勉強して18歳になったら選挙に行く。」という頼もしい答えもあり、私の思いが実践できた有意義な1日でした。